ウワサの現場

世界遺産・日光東照宮に真夏のミステリー?なぜ「眠り猫」は再び目を閉じてしまったのか

【ウワサの現場】世界遺産・日光東照宮に真夏のミステリー?なぜ「眠り猫」は再び目を閉じてしまったのか
【ウワサの現場】世界遺産・日光東照宮に真夏のミステリー?なぜ「眠り猫」は再び目を閉じてしまったのか
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 世界遺産に登録された日光東照宮(栃木県日光市)の数ある彫刻の中で、最も有名な国宝「眠り猫」。昨冬、約60年ぶりにお色直しされた際、薄目を開けたが、今はまた、閉じてしまったように見える。もともと、「眠り猫は実は薄目を開けている」という伝承がある。はたして、眠り猫は目を開いていているのか、閉じているのか、眠っているのか起きているのか-。

家康墓所への入り口

 徳川家康を祭る日光東照宮。眠り猫は、家康の墓所がある奥社への参道入り口、東回廊潜(くぐ)り門の上に掲げられている。伝承では左甚五郎の作。眠り猫の裏は竹林で遊ぶ2羽のスズメの彫刻があり、猫が眠っているから雀は安心でき、戦乱の時代が終わり、平和な時代の到来を象徴しているとの解釈が一般的だ。

 保存会によると、眠り猫の修復は昨年6月から行われ、11月に終了。元の場所に取り付けられた。工期はもともと今年3月までだったが、「修復が終了していれば、観光客に早く見せたい」との東照宮側の意向もあり、前倒しで公開した。

 その際、担当した彩色工は「目を開けた姿に戻した」と説明したという。1本の線で描かれている猫の目だが、目を表す線の中央部分の黒を濃くすると、閉じてある目のすき間に、わずかに黒目がのぞいているように見え、薄目を開けたような表現になった。

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