24日に宵宮、25日に本宮を迎える大阪の夏の風物詩「天神祭」。日本三大祭りの一つで毎年約130万人が訪れるが、華やかな祭りとは裏腹に問題となっているのは、足の踏み場がないほど路上に散乱する大量のごみだ。昨年は2日間で約60トン。現状を打開しようと、市民団体などが今年初めて「ごみゼロ大作戦」に取り組む。お手本とするのは同じ三大祭りの京都・祇園祭での活動だ。(益田暢子、池田祥子)
大阪市北区の大阪天満宮周辺で行われた昨年の天神祭。発泡スチロール製の器やプラスチック製のコップ、うちわなど、大量のごみが路上にあふれていた。会場に設置された700個のごみ箱だけでは収集しきれず、近隣住民や観光客らから苦情の声が相次いだ。委託業者によって回収されたごみは約60トンに上ったが、分別されていなかったため実に97%が産業廃棄物として焼却処分された。しかし、約4割は分別すればリサイクルできる飲料容器だと分かった。
「この状況をなんとかせなあかん」。実態調査に当たった大阪府内の市民団体やNPO法人のメンバーらが今年3月、「天神祭ごみゼロ大作戦実行委員会」を立ち上げた。
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実行委が手本としたのは、日本三大祭りの一つ、京都・祇園祭だ。同祭でもごみ問題が深刻化し、平成26年から市民団体や京都市などがタッグを組んで「ごみゼロ大作戦」をスタートさせた。洗って再利用できるプラスチック製の「リユース食器」約21万食分を用意し、屋台での利用を呼びかけている。