主張

五輪離れの時代 東京が将来の希望を示せ

 平和を象徴する祭典として、五輪は安定的に開催されてほしい。

 国際オリンピック委員会(IOC)は2024年五輪の招致に立候補しているパリとロサンゼルスを、24年と28年に振り分けることを決めた。9月の総会で、2大会の開催都市が一括で決まる見通しだ。

 近年は五輪の肥大化で開催都市の負担が増し、22年冬季大会では4都市、24年大会でもローマやブダペストなどが招致レースから撤退した。「五輪離れ」は深刻で、優等生とされるパリやロスを手放したくないIOCの焦りが露呈した格好だ。

 ただし、今回の措置を慣例化すべきではない。「開催能力を備えた都市は限られる」という面だけが強調されれば、アフリカ大陸など未開催の地での五輪は遠のく一方だ。スポーツの発展にとって望ましいことではなく、問題の先送りでしかない。

 14年ソチ冬季五輪では、インフラ整備を含めて約5兆円に経費が膨らみ、他都市の招致熱を冷ました。昨夏に五輪を開いたリオデジャネイロでは競技会場が放置されたまま荒廃し、組織委員会も多額の負債を抱えている。国威発揚型の五輪からは、脱却する時期を迎えている。

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