「取っちゃったなという感じ」「とにかく面白い小説を書こうと」 直木賞に決まった佐藤正午さんインタビュー詳報

 「地方在住の方は地方で待って、電話で記者会見に臨んでくださいというパンフレットみたいなのがあったので、それもありなんだな、というのでそっちを選びました」

 --文章力が抜きんでている、30年たってもみずみずしい、という選考委員の評価があった。文章力、構成力を維持するため、みずみずしさを保つために、どういうことを大切にしているか

 「みずみずしさを保っているか分からないですけど…。なんだか、この記者会見である程度、質問を想像していたんですけど、全然違う質問が飛んでくるので、何て答えていいか分からないですよ。自分の文章のことは、自分でよく分からないです。すみません」

 --では、事前に予想していた質問内容と、それに対して準備していたお答えを教えてください

 「60歳を過ぎて直木賞候補になったことは、いまさらとか、そういうふうに思いませんかという質問を予想していました」

 --どういう答えを

 「『思いません』と。いまさら? とは思わないけれど、今? という感じ。今まで全然出合わなかった直木賞にちょっと呼び止められて、『ちょっと寄っていかない?』みたいな、『えっ、今から?』みたいな。そんな答え方をしようと思ってました」

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