「取っちゃったなという感じ」「とにかく面白い小説を書こうと」 直木賞に決まった佐藤正午さんインタビュー詳報

(右から)芥川賞受賞の沼田真佑さんの著書「影裏」が掲載された「文学界」、直木賞受賞の佐藤正午さんの著書「月の満ち欠け」=19日午後、東京都千代田区(納冨康撮影)
(右から)芥川賞受賞の沼田真佑さんの著書「影裏」が掲載された「文学界」、直木賞受賞の佐藤正午さんの著書「月の満ち欠け」=19日午後、東京都千代田区(納冨康撮影)

 「月の満ち欠け」(岩波書店)で第157回直木賞に輝いた佐藤正午さん(61)。映像化された作品も多く、熱心なファンを持つベテラン作家だ。初めての候補で受賞が決まった。長崎県佐世保市在住の佐藤さんは、会見場である東京・内幸町の帝国ホテルには現れず、佐世保から電話インタビューで受賞の喜びを述べた。

 --今のお気持ちは

 「取っちゃったな、という感じです」

 --それだけですか。この後、質疑応答なんですけど、ご自分でおっしゃることは、ほかにはありませんか

 「大丈夫です」

 --担当編集者と18年前に約束した話が形になり、直木賞という結果となった。それを、どういうふうに感じているか

 「そういう巡り合わせだったのかな、という気がしていますけど」

 --受賞作は、いきなり東京駅から始まって、八戸(青森県)などを舞台にしていますけれど、実際に来たりはしたのか

 「佐世保からは出ずに書きました」

 --佐世保には何か創作の源があるのか。なぜ佐世保で書き続けるのか

 「実家があるので、母のこともあるし、佐世保を離れるわけにはいかないというのもあります」

 --授賞式は来られますか

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