「月の満ち欠け」(岩波書店)で第157回直木賞に輝いた佐藤正午さん(61)。映像化された作品も多く、熱心なファンを持つベテラン作家だ。初めての候補で受賞が決まった。長崎県佐世保市在住の佐藤さんは、会見場である東京・内幸町の帝国ホテルには現れず、佐世保から電話インタビューで受賞の喜びを述べた。
--今のお気持ちは
「取っちゃったな、という感じです」
--それだけですか。この後、質疑応答なんですけど、ご自分でおっしゃることは、ほかにはありませんか
「大丈夫です」
--担当編集者と18年前に約束した話が形になり、直木賞という結果となった。それを、どういうふうに感じているか
「そういう巡り合わせだったのかな、という気がしていますけど」
--受賞作は、いきなり東京駅から始まって、八戸(青森県)などを舞台にしていますけれど、実際に来たりはしたのか
「佐世保からは出ずに書きました」
--佐世保には何か創作の源があるのか。なぜ佐世保で書き続けるのか
「実家があるので、母のこともあるし、佐世保を離れるわけにはいかないというのもあります」
--授賞式は来られますか