アップテンポの曲調に合わせて参加者たちはステップを踏みながら体をひねり、インストラクターから「吸って、吐いて」「肩甲骨を大きく回して」などの指示が飛ぶ。同店関係者によると、曲ごとに重点的にシェイプアップができるようにプログラムされており、こうしたエクササイズを行うことによって、より効果的な有酸素運動となり健康的な体づくりができるという。
大阪府池田市の40代主婦は「思ったよりも足腰に力が入っていい汗をかきました。人前で歌うのは苦手ですが、体を動かすのは楽しい」と笑顔で話していた。同店では、8月まではお試し期間としてカラフィットを行っている。
「楽しみながら」健康増進にも一役
一方、カラオケ機器メーカー「第一興商」(東京都品川区)は、通信カラオケ装置「DKエルダーシステム」を活用して高齢者の健康増進に一役買っている。
関西では、昨年6月から大阪府泉佐野市でカラオケと軽運動を組み合わせた音楽介護予防教室「泉佐野元気塾」を展開している。当初は介護保険の被保険者を対象に自治会館30カ所と市の施設5カ所でスタートしたが、現在では45カ所にまで拡大し、これまでに延べ約9千人が参加している。
「上瓦屋長生会館」をのぞいてみると、同社から派遣された音楽健康指導士の先導のもと、童謡「かたつむり」や民謡「斎太郎節」、歌謡曲「嵐を呼ぶ男」などのメロディーに乗せて、参加者たちが足の老化を防ぐ運動や舌を動かす口腔(こうくう)体操などを行っていた。
参加していた泉佐野市内の男性(74)は「たくさんの人が笑顔で歌って、体を動かせる場があるのはいいこと。楽しみながら続けられる」と声を弾ませる。