ユーザー情報保護を最重要視するテレグラム側は当初拒否する姿勢を示していたが、政権の統制下にあるテレビメディアから「テロリストを支援している」などと一斉に非難を受けるなか、同月末には登録に応じた。デュロフ氏は個人情報提供は引き続き拒むとしているが、抵抗できるかは不透明だ。最悪の場合、ロシア国内でサービスが閉鎖される事態も起こりうる。
ネット空間は依然自由
ただ、テレビなど多くのメディアが政権のコントロール下に置かれるなか、デュロフ氏らの取り組みはネットが現時点ではロシアでも自由な言論空間を守っている現状を浮かび上がらせた。
3月以降ロシア国内で相次ぐ反政権デモなども、ネット上の情報拡散を通じて行われた。今後、政権とネット空間の対立がロシア社会の大きな焦点となっていきそうだ。
(モスクワ 黒川信雄)