さらに14年春にはウクライナ危機が勃発。露当局はデュロフ氏にウクライナの活動家らの個人情報の提供を求めたが、同氏は拒否した。デュロフ氏はフコンタクテの最高経営責任者(CEO)の職から解任され、間もなくロシアを去らざるを得なくなった。
テレグラムの発足
ロシアを離れたデュロフ氏は、新サービス「テレグラム」の発足に取りかかる。テレグラムは通信用アプリで、利用者の通信内容などの秘匿性が極めて高いのが特徴とされる。元々は、自身がロシアの治安機関からのネット上でのスパイ行為を阻むために開発した技術を応用したといい、13年8月に提供が開始された。
しかしこれが再び、世界的なヒットとなった。わずか2年半あまりで、1カ月あたりのアクティブユーザーが1億人を突破。1日の新規ユーザー登録数が35万人を超えるサービスに発展した。
再び衝突
しかし秘匿性の高さ故に、テレグラムは再びロシア当局と衝突することとなる。
テレグラムは現在、ロシア国内で約600万人のユーザーを持つが、ロシアの通信監督当局は17年6月、ドイツに拠点を置くテレグラムに対し、ロシアでの事業登録を要請。応じれば、テレグラムはロシア国内のサーバーに利用者情報を保存し、治安当局の要請に沿って情報の提供に応じなくてはならなくなる。