経常黒字が4カ月ぶり減少 5月、資源価格持ち直しで1兆6539億円

 財務省が10日発表した5月の国際収支速報によると、海外とのモノやサービス、投資の取引状況を示す経常収支は前年同月比5・9%減の1兆6539億円の黒字だった。黒字は35カ月連続だが、黒字幅は4カ月ぶりに縮小した。

 輸出から輸入を差し引いた貿易収支の赤字が主な要因。原油など資源価格の持ち直しで輸入額が増えたため、1151億円の赤字(前年同月は308億円の黒字)だった。輸出は12・9%増の5兆7145億円と堅調だったが、輸入が15・8%増の5兆8297億円と膨らんだため、差し引きで赤字となった。

 サービス収支は421億円の黒字で、黒字幅が縮小。知的財産権等使用料で支払いが増えた。旅行収支は1272億円の黒字。訪日外国人の増加で、5月としては過去最高だった。

 海外投資からの収益動向を示す第1次所得収支は1・6%増の1兆9243億円の黒字だった。証券投資収益で黒字幅が拡大した。

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