「そんなこと、どっちでもOKでしょ」という人も多いのかと思いますが、新聞用語では「氷が溶ける」「氷が解ける」は区別して使用しています。弊社では「氷が解ける」です。一般記事で「氷が溶ける」という表現が出てきたら、「溶」を「解」に変えて「氷が解ける」に直しています。
弊社の用字用語集「産経ハンドブック」では、
「解かす・解く・解ける」=とけてなくなる、緊張がゆるむ、ほぐす。(用例)氷・雪が解ける〈自然現象〉
「溶かす・溶く・溶ける」=とけ合う、固体を液体にする。(用例)氷・鉄・雪を溶かす
と、使い分けています。
なるほど。自然現象…か。暖かくて氷が自然にとけ出して水になってしまうような場合は「解ける」なのか。「氷解」という言葉もあるし。
一方、お湯やバーナーなどで急速に氷をとかすようなとき、つまり人為的に氷をとかす場合は「溶かす」なのか。
ん? 「溶ける」ではなく「溶かす」と書いてある。ということは…。自動詞ではなくて、他動詞ということか。おおむね、そう区別して覚えれば、いいのか。改めて産経ハンドブックを見て、考え込んでしまった。
「氷・雪」の場合は、自動詞・他動詞で区別することは分かった。「鉄」は「溶かす」の用例に書いてあるけど「解かす」の方には書いてないもんな。なるほど、鉄は自然にはとけない、ということか。納得、納得。