主張

日欧EPA 保護主義断ち切る起点に

 EUとの大枠合意では、日本が期待する自動車やテレビなどの輸出にかかる関税が撤廃されるほか、貿易や投資に絡む多くのルールでも合意した。

 焦点の欧州産チーズは、輸入枠を設けて段階的に関税を撤廃することで折り合った。欧州が強みを持つワインやパスタなどの関税もなくす。

 畜産農家などの関連業界には輸入拡大で被る打撃への警戒もあるだろう。だが、自由貿易を後押しする通商協定の交渉で、それに逆行する「関税死守」を唱え続けるわけにはいくまい。

 自由貿易には経済全体を上向かせる効果があることを忘れてはならない。輸出拡大のみならず、安全で安価な輸入品の流入は消費者全体に大きな恩恵を及ぼそう。

 肝心なのは、EPAの恩恵を最大化する官民の取り組みだ。国内対策が目指すべきは、欧州と競合する産業の生産性を高め、高い品質に裏打ちされたブランド力を構築することにほかならない。

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