正論

香港人は共産党の敵か味方か 人民解放軍は反抗する国民を守らない 東京国際大学教授・村井友秀

 例えば、共産党政権を支える大黒柱である軍隊を見ると、共産主義を目指した内戦時代は労働者と農民を守る「工農紅軍」であり、中国人の資本家や地主は敵であった。民族主義を掲げた日中戦争の時代には国民を守る「国民革命軍」になり、現在は「人民解放軍」である。数百人以上の国民が死亡した天安門事件(89年)で人民解放軍が発砲した国民は人民の敵である。共産党に反発する香港人は「人民内部の矛盾」ではなく打倒すべき「敵対的矛盾」である。人民解放軍は共産党を支持する人民を守るが、反抗する国民(民族)を守らない。

 中国共産党が民族主義を高く掲げれば掲げるほど、共産党のイデオロギー的矛盾は拡大していくことになる。(東京国際大学教授・村井友秀 むらいともひで)