大阪南港(大阪市住之江区)で強い毒を持つ南米原産の「ヒアリ」が新たに見つかった問題で、環境省は4日、付近で駆除した個体の中から、女王アリ1匹が国内で初めて確認されたと明らかにした。卵は見つかっていないが、女王アリは1日に千個以上の卵を産む能力があるとされ、同省は、巣を作り繁殖していた恐れもあるとみて調査している。
環境省によると、6月29日に住之江区内の倉庫に搬入された中国・香港からのコンテナで、毒を持つ別の外来種「アカカミアリ」が確認され、同30日に周辺を調査した結果、アスファルトの亀裂でヒアリがまとまった状態で見つかった。環境省の地元事務所によると、目視で約100匹がいたとみられる。
同日に殺虫剤などで駆除し、約10匹の死骸を回収した。同じ場所で7月3日に回収したアリの死骸約50匹の中の1匹が4日、ヒアリの女王アリと確認された。
6月30日の駆除以降、周辺で生きたヒアリは捕獲されておらず、卵やアリ塚も確認されていない。アリ塚の形成には2〜3年かかるといい、環境省は「増殖しているとしても初期段階」とし、毒が含まれた餌を置くなどの対策をしている。
ヒアリは体長約2・5〜6ミリ。女王ヒアリは体長や腹部が大きかった。