政府は4日の閣議で、中央省庁の主要幹部人事を決定した。「女性が輝く社会」を最重要課題の一つとして推進する安倍晋三政権は、今回の目玉人事として経済産業省出身の宗像直子首相秘書官を女性初の特許庁長官に起用する。また、宗像氏の後任に経産省出身で42歳の佐伯耕三内閣副参事官を抜擢(ばってき)する。宗像、佐伯両氏の人事は5日付。
宗像氏は昭和59年に通産省(現経産省)に入り、平成27年に女性としては2人目となる首相秘書官に就任した。宗像氏の起用について菅義偉官房長官は4日の記者会見で「女性活躍の大きなシンボルになるのではないか」と述べた。
佐伯氏は平成10年に経産省に入省。情報通信機器課長補佐などを歴任し、25年から内閣副参事官として安倍首相のスピーチライターなどを務めた。課長級ポストの未経験者の首相秘書官の登用は異例となる。
一方、学校法人「森友学園」への国有地売却問題の担当局長として国会答弁した財務省の佐川宣寿理財局長は、5日付で国税庁長官に就任する。
防衛省は、南スーダンで国連平和維持活動(PKO)に従事した陸上自衛隊の日報問題の処理のため、主要人事は先送りされた。