都議選投開票

復讐は終わった…だが小池流はどこに向かうか判然としない 社会部長 三笠博志

次々に咲く当確の花をバックに会見する小池百合子都知事(都民ファーストの会代表)=2日午後、東京都新宿区(納冨康撮影)
次々に咲く当確の花をバックに会見する小池百合子都知事(都民ファーストの会代表)=2日午後、東京都新宿区(納冨康撮影)

 この選挙結果で唯一はっきりしているのは、小池百合子知事が今後の都政でフリーハンドに近い主導権を握れることだろう。選挙戦で問われたのは、首長の行政を監視すべき議会の多数派を、首長自ら率いる政党に与えるかどうか。「知事のイエスマンばかりになる」との自民党の訴えは稲田朋美防衛相の失言などで吹き飛び、都民は小池流に今まで以上の力を与えた。

 判然としないのはその先だ。小池流はどこに向かうのか。知事率いる政党が議会第一党となった先例はある。橋下徹氏が大阪府知事時代に立ち上げた大阪維新の会だ。ただ、何のために多数派を握ったのかという点では違いがある。

 橋下氏は「大阪都構想」という明確な政策を掲げた。小池氏はどうか。街頭で「古い議会を新しく」と繰り返したように、「古い」自民党の力をそいで議会を変えたい思いは分かったが、具体的な政策を前面に押し出した印象はない。

 過去の都政、都議会を主導してきた勢力と戦うそうした小池流は、自民党都連と対立した知事選以来、もう1年近く続いている。元知事の石原慎太郎氏にまでさかのぼった市場移転問題や2020年東京五輪・パラリンピックの会場・経費見直し。これらの問題に多くの時間と小池氏自身の労力が費やされてきた。

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