韓国史上初めて政府のリコール勧告を拒否し、ヒアリングを受けた上で韓国国土交通部から強制リコールを通知された現代自動車に疑惑の目が注がれている。ここにきて現代自は是正計画書を提出したが、2度にわたるリコール勧告を拒否した姿勢に対し、同部は欠陥隠蔽(いんぺい)の可能性が排除できないとして検察に捜査を依頼。米運輸省道路交通安全局(NHTSA)は米国でのリコール措置が適切だったかを判断する調査に入った。韓国メディアも「品質信頼度と対外イメージ失墜は避けられない」と突き放している。
史上初の強制リコール
韓国紙・中央日報(日本語電子版)によると、強制リコールの対象は、欠陥が確認された現代・起亜自動車の12車種・24万台。大気汚染を防止する部品の欠陥で走行中にエンジンが止まる可能性がある車両と、ハブナットの欠陥でタイヤが外れる可能性がある車両だという。これらの欠陥に対しては同部が技術調査や専門家審議などを経て、3月と4月に2度にわたってリコールを勧告したが、現代自は「安全運行に支障をきたす欠陥ではない」と拒否。ヒアリングを経て5月に強制リコール処分の通知を受けた。
ここにいたって現代自は強制リコールにひとまず従う方針を表明したが、「リコール命令とわれわれが主張している無償修理は実は大きく異ならない。ただし、安全に関連した問題でない場合、リコールをしなくてもよいためヒアリングまで受けることになった」と釈明。欠陥が安全問題と関連するかどうかをめぐっては、依然として同部との間に温度差があることを浮き彫りにした。