東電強制起訴初公判

冒陳、過失認定めぐり対立 津波可能性指摘の報告、どう評価 

 東京電力福島第1原発事故をめぐる刑事裁判の初公判で、検察官役の指定弁護士側は、勝俣恒久被告(77)ら旧経営陣3人が事前に事故の可能性について報告を受けていたことなどから「予見でき、適切な対策を取っていれば防げた」と主張。一方、弁護側は「報告があったからといって、予見可能だったとはいえない。さらに仮に対策を取っていても事故は防げなかった」と反論した。冒頭陳述からは双方が今後の公判で描こうとするストーリーが浮かび上がる。

 この裁判の最大の焦点は、過失罪が認定されるのか否かという点だ。

 過失罪の認定には、事故について、(1)当事者が予見できる状態にあり(2)予見する義務があったのに怠り(3)回避できたはずの結果を(4)不注意から引き起こした-という一連の因果関係が成立する必要がある。さらに、予見は漠然とした不安感などでは不十分で、具体的に危険性を認識していたとの認定も必要とされる。

 今回の裁判で、指定弁護士側は、事故が起きれば重大な結果を招く原発を扱う事業者の役員には一般人より高度な注意義務があったとの認識を示した。

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