スーパードライ11%値上がり 安売り規制強化から1カ月 酒類全般に値上げ波及 

スーパードライ
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 6月1日に始まった酒の安売り規制強化から1カ月。スーパーや量販店などの店頭では、安売りの目玉とされてきたビール以外にも、ウイスキーやワインなど酒類全般に値上がりが波及している。規制強化前の駆け込み需要の反動もあり、6月は軒並み販売数量が減少。規制強化が、酒類市場を冷え込ませかねない状況だ。

 「ビールで特売のチラシを出せなくなった」。東京都内の大手スーパーの幹部は、こう嘆く。

 スーパーはメーカーから支払われる販売奨励金を原資にビールを安売りし、それを広告塔にして集客につなげてきた。だが、6月の規制強化で、仕入れ値に人件費などのコストを加えた「原価」を下回る赤字販売はできなくなった。

 このため、店頭価格は上昇している。データ分析会社のカスタマー・コミュニケーションズ(東京都港区)によれば、アサヒビールのビール「スーパードライ」(350ミリリットル×6缶パック)の全国スーパーの平均価格は、6月第2週で1140円(税別)と、5月第4週と比べ11%以上も値上がりしている。

 ビール以外にも、値上がりは広がる。6月第2週と5月第4週を比べると、例えば、白鶴酒造の清酒「サケパックまる」(2リットル)は店頭価格が8%上昇した。

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