タイのビーチで、中国人観光客が水の事故に巻き込まれるケースが多発している。今年に入り、70人以上が事故に遭い、少なくとも30人が死亡した。遊泳禁止区域に入って溺れるなど、中国人観光客のマナー違反が原因になっているケースも多いといい、在タイの中国総領事館が中国人観光客に対し注意を喚起する事態になっている。
危険ラインを越えて遊泳
中国やタイのメディアの報道によると、6月12日、タイ南部プーケットのパトンビーチで、中国人観光客の女性4人が高波にのまれて溺れ、現地のライフセーバーらによって救助される騒ぎがあった。4人のうち1人は重症、3人は軽症で命に別条はない。
4人は当時、危険ラインとして張られていたロープを越えて遊泳し、監視員らが注意しても無視した。監視員らが4人の様子を注意して見ていたことから、高波にのまれた際にライフセーバーらが素早く対応できたという。
2日後の14日には、プーケットのカマラビーチの沖で中国人観光客の男性(18)の遺体が発見された。沖合約50メートルの水面に浮いており、溺死とみられる。男性は前日に遊泳に訪れ、仲間2人とともに行方不明になり、仲間2人はその日のうちに救助されていたという。
溺れた外国人観光客366人中73人が中国人
このほか、4月上旬にはパタヤのジョムティエンビーチで、夫らと一緒に海水浴中だった72歳の中国人女性が溺れて死亡。またその数日前に、クラビー県のホン島で、シュノーケリングを楽しんでいた30歳の中国人女性が水死している。