違法臍帯血を無届け出で使った11医療機関に、厚労省が再生医療の一時停止命令

 厚生労働省は28日、他人の臍帯血(さいたいけつ)を使った再生医療を無届けで行っていたとして、再生医療安全性確保法違反で、東京、大阪、福岡の医療機関計11カ所に再生医療の一時停止を命じたことを発表した。健康被害の情報はないが、厚労省は「保健衛生上の危害の発生または拡大を防止する必要があると判断した」としている。

 同省医政局研究開発振興課によると、これら医療機関では「がん治療」や「肌の若返り」などを目的に臍帯血を投与。再生医療法では、他人の幹細胞を使った医療を行う場合、国が認定した専門委員会に計画書を提出し、安全性などの審査を受ける必要があるが、いずれも届け出ていなかったという。

 厚労省は5月9日、愛媛県のクリニックに立ち入り検査した結果、無届けの再生医療を行っていたとして停止命令したことを公表。同月から全国的に本格調査したところ、同月16日〜6月8日にかけて、東京都8、大阪市2、福岡市1の計11カ所に停止命令を出した。

 臍帯血は、へその緒に残った少量の胎児の血液で、赤血球や白血球などの血液細胞のもとになる「造血幹細胞」が大量に含まれている。他人の臍帯血を使った治療は白血病などで有効性が認められている。しかし血液以外のがんや美容目的の利用については、有効性や安全性が実証されていない。保険が利かない自由診療で、1人当たり数百万円の治療費を受け取っている医療機関もあるという。