走行試験3万キロ FGT導入に「走りが足りず懸念」 JR九州・青柳社長が会見

記者会見するJR九州の青柳俊彦社長
記者会見するJR九州の青柳俊彦社長

 JR九州の青柳俊彦社長は27日の記者会見で、九州新幹線長崎ルートでの新型車両フリーゲージトレイン(軌間可変電車、FGT)導入の是非について、「(走行試験で)3万キロしか走っていない。走りが足りないという意味で懸念がある」と述べた。その上で、JR九州として独自に経済性を試算する考えを示した。(九州総局 村上智博)

 独立行政法人「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」は昨年12月から今年3月まで、営業路線でFGTの「検証走行試験」を実施し、3万キロ走らせた。

 試験結果を、国土交通省が設ける専門家による技術評価委員会が、7月に議論する。その上で、政府・与党が同月にも、次の段階の「耐久走行試験」に移れるかを判断する。

 だが、当初の計画では、実用化までに60万キロの走行試験をすることになっていた。さらに技術評価委員会は昨年、FGTの維持管理コストが、通常の新幹線の2・5〜3倍に達するとの試算を出した。

 青柳氏は「事業者として経済性について計算する。国が出す数字と同じような数字になれば、(試算の妥当性について)ご理解いただけると思う」と述べた。

 JR九州内では、FGTの開発難航とコスト高を理由に、導入に難色を示す意見も根強い。青柳氏の発言は、JR九州としての懸念を改めて示したものといえる。

 政府・与党がFGTの導入断念を決めた場合には、長崎ルートで全線「フル規格化」の議論が浮上する。この点について、青柳氏は「どんな方式でいくかは、われわれではなく国が決めることだ」と述べた。

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