新発田の中2男子自殺 家族にいじめ打ち明けるも市教委は「暴力は確認されていない」

新発田市は記者会見で、大山康一教育長、萩野喜弘学校教育課長、小坂井博学校教育主任参事(写真左から)が自殺を防げなかったことを謝罪した=26日、新発田市豊浦庁舎(太田泰撮影)
新発田市は記者会見で、大山康一教育長、萩野喜弘学校教育課長、小坂井博学校教育主任参事(写真左から)が自殺を防げなかったことを謝罪した=26日、新発田市豊浦庁舎(太田泰撮影)

 米山隆一知事は26日、新潟県新発田市教育委員会が市立中2年の男子生徒(13)が25日に自殺したと発表したことを受けて「緊急対策を検討したい」と記者団に述べ、子供たちの自殺を防止する対策を強化する考えを明らかにした。夏休み明けをめどに実施できるよう県教育委員会を中心に対策をまとめる方向だ。

 同市教委は26日、同市の市役所豊浦庁舎で記者会見を開き、事態を説明。25日早朝に自宅敷地内の作業小屋で首をつっているのが見つかった男子生徒は当日、スポーツ大会に参加する予定だったという。

 生徒は、学校でいじめられていると家族に打ち明けていた。しかし、市教委は担任はいじめを把握しておらず、暴力があったとの事実も確認されていないとしている。

 記者会見で大山康一教育長は「生徒を救えず慚愧(ざんき)に堪えない。心からお悔やみ申し上げる。重大事態と捉え、遺族の意向を尊重しながら迅速に対応したい」と頭を下げた。市教委によると、自殺した生徒の保護者は「いじめが事実だったら憤りを感じる」と話しているという。

 同市は今後、第三者委員会を設けて原因究明や対策の検討を進める方針。学校側は26日夜、保護者らを集めて事態を説明した。

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