ソウルから 倭人の眼

「日本の努力が足りない」といいながらスワップなど改善切望の韓国 日本気にしつつ慰安婦合意で本音

 慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」を確認した日韓合意について、就任以降は「再交渉」への言及を避けていた韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領(64)がやはり、本音を出し始めた。日本の「法的責任」と「公式な謝罪」が慰安婦問題解決の核心であると発言したのだ。文在寅政権は日韓合意の検証を近く始めるという。ただ、大統領選であれほど日韓合意を否定していた文大統領は、それでも就任後は日本に対して「再交渉」を口にしていない。一方で、日本の反発を気にし、慎重になっているようだ。(ソウル 名村隆寛)

元慰安婦が反対? 7割超が受け入れたが…

 文大統領の発言は、米紙ワシントン・ポストとのインタビューで出たものだ。日本の法的責任と公式な謝罪を求めた文大統領は、「前政権での日本との慰安婦合意は韓国人、特に被害者(元慰安婦の女性)に受け入れられていない。彼女たちは合意に反対している」と語り、合意内容が十分ではないとの認識を示した。

 さらに、文大統領はロイター通信とのインタビューで、日本について「慰安婦問題を含め、韓国との過去の歴史問題を解決するために最善の努力をしていない」とまで批判した。日本に追加の措置を求めているわけだ。

 文大統領は、今月訪韓した自民党の二階俊博幹事長(78)にも「国民は受け入れられないのが現実だ。特に当事者の元慰安婦は受け入れられず、この点を韓日両国は直視する必要がある」と伝え、合意を履行できない姿勢を示した。

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