2018年2月に開幕する平昌五輪をめぐる問題がまたも明らかになった。五輪開催の地元・江原道の建設労働組合は6月14日、五輪関連の建設労働者に対する未払い賃金の支払いを求めたと江原日報などが報じた。未払い額は2400億ウォン(約240億円)に上るという。労働者は生活困窮に陥っており、組合への苦情は8000件もあるそうだ。韓国だけで幅を利かせている「社会悪」だと報じる韓国メディアもあり、根は深そうだ。
ソウル経済新聞は今年1月、韓国では最近、賃金未払いが高いレベルで推移し、徐々に増加傾向にあり社会的問題になっていると報じた。長引く経済不況が根底にあるが、韓国人が労働の対価として賃金が発生するという労働経済学の基本概念を理解できていないため、経営不振になると平然と賃金を踏み倒すという指摘もある。
ハンギョレ新聞などによると、賃金未払いは大企業、中小企業の区別なく蔓延。規模は日本の10倍近くだとした。16年が約1兆3000億ウォン(約1300億円)、15年が1兆2993億ウォン(約1299億円)、14年が1兆3194億ウォン(約1319億円)に上った。ソウル経済新聞によると、要因のトップは一時的な経営悪化が57%、次いで倒産や廃業15.5%と続くという。