北朝鮮情勢

対北輸出32%増、中国統計 輸入は減少も「制裁」は骨抜き

 【上海=河崎真澄】中国税関総署が23日に公表した国・地域別の輸出入統計月報(ドルベース)で、北朝鮮向け輸出が1〜5月累計で13億2399万ドル(約1470億円)となり、前年同期比で32・0%増えていたことが分かった。1〜4月の31・7%増から、わずかながら加速した。ガソリンなどの石油製品の輸出を拡大しているもようだ。

 一方、1〜5月累計の北朝鮮からの輸入は7億2210万ドルで9・3%減。1〜4月の2・7%減からマイナス幅を広げた。北朝鮮の大きな外貨獲得手段である石炭の輸入を停止する措置を、中国は2月19日から取ったなどと説明してる。

 輸出増の影響で、輸出入を合わせた貿易総額では1〜5月に20億4609万ドルで13・7%伸びた。1〜4月の16・3%増からやや減速したが、北朝鮮の最大貿易相手国である中国の「制裁」は骨抜きの状態だ。

 中国外務省の耿爽報道官は23日の記者会見で、北朝鮮の核開発問題について、「問題解決のカギは中国側にはない」と突き放した。石炭の輸入停止など圧力強化で国際社会に同調する構えをみせつつ、北朝鮮の体制維持や社会安定に必要な経済支援は続ける構えだ。

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