藤井聡太四段28連勝

AI時代の申し子 21世紀生まれの初の棋士 詰め将棋も怪物

会見で笑顔を見せる藤井四段=21日午後6時5分、大阪市福島区の関西将棋会館(安元雄太撮影)
会見で笑顔を見せる藤井四段=21日午後6時5分、大阪市福島区の関西将棋会館(安元雄太撮影)

 昨年12月のデビュー戦から無敗を続け、ついに公式戦最多連勝記録の「28」に並んだ将棋の最年少棋士、藤井聡太四段(14)。21世紀生まれ初の棋士である藤井四段の強さの背景には、人工知能(AI)の活用があるとみられる。「AI時代の申し子」の快進撃はどこまで続くのか。

 プロ棋士養成機関「奨励会」時代の強さの源泉は、その圧倒的な終盤力にあるとみられていた。難解な詰め将棋を驚異的なスピードで解く怪物少年が愛知県にいるという噂は、何年も前から羽生善治棋聖らトッププロの間でも広まっていた。現にプロも多数参加する詰め将棋の全国大会で藤井四段は小学6年時から3連覇している。

 その終盤力に加え、AIを搭載した将棋ソフトの活用で一段と進化した序盤力が強さに輪を掛けている。藤井四段は奨励会三段のときから、気になる棋譜をAIで分析し、正確な形勢判断や最善手を探るなどして対局に生かしているという。13連勝目で敗れた若手棋士、千田翔太六段(23)も「藤井四段の指し手にはかなりの程度、AIの影響がみられる。その強さは、もともとの棋力の高さに加え、AIの有効活用にあるのではないか」と話している。

 多くの棋士が指摘する最近の藤井四段の特徴は、その「仕掛けの早さ」にある。従来の定跡にとらわれず、桂馬や銀を序盤からどんどん前面に繰り出すなど、先手必勝で自分のペースをつかみ、そのまま勝ち切る将棋だ。

会員限定記事会員サービス詳細