薬の費用対効果の全国調査、厚労省が実施へ

 厚生労働省は18日、薬の公定価格(薬価)に費用対効果を反映させるため、今夏に数千人規模の大規模な世論調査を実施する方針を決めた。1年間延命を可能にする医薬品や医療機器への支払額をいくらまで許容できるかを面接で聞き、今秋に調査結果を公表する。

 厚労省は薬の費用対効果の仕組みを平成30年度から本格導入し、効果が見合わない薬については値下げの対象にしていく方針。今回の調査は薬価を判断する目安として活用する考えだ。

 調査は、全国100カ所で行い、自宅を訪ねて対面で実施する。医薬品や医療機器に関し、価格を上下させながら「公的医療保険から支払うべきだと考えるどうか」を質問し、国民が許容できる薬価の水準を探る。

 調査結果がまとまった後、製薬会社から提出してもらった費用対効果のデータを突き合わせ、高額の支払いを許容する人の割合が少ない薬は費用対効果が「悪い」と判断し、値下げの対象としていく。

 ただ、実際の薬価決定に際しては、希少疾患や代替治療がないなど、倫理的・社会的影響の観点も考慮する方針だ。

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