イスラム国(IS)

モスル旧市街への突入作戦開始 イラク軍 作戦は「最終章」

 【カイロ=佐藤貴生】イラク北部モスルで、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)から街を奪還する作戦を行っているイラク軍の反テロ部門の司令官は18日、作戦が「最終章」を迎えたと述べ、残るISの支配地域である西部の旧市街への突入作戦を開始したことを明らかにした。

 ロイター通信などが伝えた。旧市街などでは未明から空爆が始まり、9カ月目に入ったモスル奪還作戦は大詰めを迎えた。

 国連によると、旧市街にまだ10万人前後の住民が取り残されており、ISの狙撃手が「人間の盾」として手元に置いておくため、逃げようとする住民に発砲している。水や食料、薬品などが不足し、住民らは厳しい環境の下での生活を強いられている。

 ISは2014年6月、モスルを制圧し、イラク軍は武器を捨てて逃走。イラク軍は16年10月、米軍などの支援を受けて奪還作戦に着手した。チグリス川より東側の市街での作戦は今年1月に完了し、2月からの西部の奪還作戦で空港や列車の駅などの拠点を支配下に収めた。86万人を超える住民が家を捨てて避難したとみられる。

会員限定記事会員サービス詳細