伏見に沢村監督の現場について聞くと、「とにかく臨機応変で、すごくやりやすかった」と話す。「みんなで和気藹々(あいあい)でね。バーベキューをやってくれたりしたけど、普通はそんなことしないですよ」
1作目から続いて出演している三浦も、めちゃくちゃ楽しかったと振り返る。
「普通、現場では監督さんは『監督!』と呼ばないといけない。でも後藤さん(沢村監督の本名)は、みんな『後藤さん!』なんですよ。そういう空気感ってすごいなと思います。かといってこだわるところは相当こだわるし、やっていて信頼できるんです」
「そういえばあのとき、あんなバカな映画を見たよね、みたいに記憶に残ってくれれば」と話す沢村監督に、最後に監督名の由来について聞いてみた。
「沢村って、かっこいいじゃないですか。後藤じゃなくて沢村になりたかったなと思って。東次は、千葉出身の伝説のレーサー、浮谷東次郎(1942〜65年)からです」
どこまでもロマンチックな監督だった。
(文化部 藤井克郎)
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「よろずや探偵談」は6月29日〜7月2日、東京・ザムザ阿佐谷で公開後、7月15日から金沢21世紀美術館(石川県金沢市)で開催されるカナザワ映画祭2017でも上映される。
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