【ニュースの深層】糞尿の異臭ただよい、共食いするネコも…「多頭飼育崩壊」の壮絶現場(3/4ページ) - 産経ニュース

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ニュースの深層

糞尿の異臭ただよい、共食いするネコも…「多頭飼育崩壊」の壮絶現場

 環境省が都道府県、政令指定都市、中核市を対象に行った調査によると、18、19年度に発生した多頭飼育崩壊に関する苦情は1775件。苦情の内訳(複数回答)は「不衛生・悪臭」が1195件で最も多く、「逸走・徘徊(はいかい)」が660件、「鳴き声・騒音」が616件と続き、周辺の生活環境の悪化に関するものが多かった。佐上さんは「現在は被害がさらに拡大している可能性がある」と推測する。

法律見直しは「第一歩」

 町屋さんによると、海外では特に悪質なホーダーに対し、行政や動物愛護団体が飼育する動物を全て引き取ったり、裁判所が飼育禁止命令を出すなどの措置を行うことがある。一方、日本は「ペットはあくまでも飼い主が所有する物扱い」。現状の動物愛護管理法では、飼い主から所有権を主張されれば行政の介入は難しいという。

 ボランティアにも限界がある。ねこけんは多頭飼育崩壊などを防ぐため、飼い猫を含めた猫の不妊手術を無料で行うことができる「ねこけん動物病院」を設立し、ネット上で販売しているペット用品の売り上げなどを運営費に充てている。しかし、「私たちはあくまでもボランティアで強制はできない」と溝上さん。「飼い主が手術を受けなかったり、全頭引き取り後にまた新しく猫を飼ってしまえば根本的な解決にはならない」と苦悩をにじませた。