学校法人加計(かけ)学園(岡山市)の獣医学部新設計画をめぐる記録文書の再調査結果が15日、明らかになった。流出した文書と同じ内容と確認された14文書からは、安倍内閣の看板政策である岩盤規制改革をめぐる文科省と内閣府との緊迫した攻防が浮かぶ。
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「これは官邸の最高レベルが言っていること(むしろもっと激しいことを言っている)」。内閣府側の規制改革に向けた強い意向がにじむのは、昨年9月26日に行われた、内閣府審議官らと文科省側の窓口となる専門教育課長らとの打ち合わせ概要を記した文書だ。
内閣府側は国家戦略特区を活用した獣医学部の平成30年4月開学を前提に、「逆算して最短のスケジュールを作成し、共有いただきたい」と要請。その上で「官邸の最高レベル」の意向をちらつかせた。
さらに、「『できない』という選択肢はなく、事務的にやることを早くやらないと責任を取ることになる」と圧力をかけ、「今週とかそういう世界で早めに上に相談してくれ」と念押しした。安倍晋三首相が獣医学部新設に向け規制の見直しを表明したのは昨年11月であり、特区担当の内閣府の焦りも浮かぶ。
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プレッシャーをかける内閣府に対し、文科省側は慎重姿勢を崩さない。