そうして集めたデータの分析から広域雷の発生に周期性があることを見つけ出したのだ。
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「27日という日数は太陽の自転周期なのです」と宮原さんは話す。
太陽は1回転するのに約27日を要するので、その表面の巨大な黒点などが地球の側に向くタイミングはほぼ27日ごとに訪れる。
黒点は数日から数十日で消えてしまうが、いつも同じ経度に出現する傾向が強いので、長期的に27日周期が維持されるのだ。
宇宙気候学では地球の気象現象を、太陽活動をはじめとする宇宙からの影響の下で理解する。この新たな視点を通じて、雷は太陽活動の影響を強く受けていることを示す有力な証拠が押さえられたのだ。
宇宙気候学が発展すると気候変動の予測の確度向上などにも道が開けることになると期待されている。
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宮原さんによると、雷と太陽の自転との関連性は見えてきたが、太陽活動の何の要素が影響を及ぼしているのか、今ひとつはっきりしていない。
意外に思われるかもしれないが、太陽光でないことだけは明らかだ。