安倍晋三首相(自民党総裁)が憲法9条に自衛隊を明記することを含む改憲発議を提案した。これを受けて、自民党では今年中に党としての発議案を決めるというが、さまざまな批判の声もある。
私は安倍提案に接して、ついにここまで来たかと心が躍った。同時に、国軍保持という当たり前のゴールからすると提案は道半ばであり、これさえ実現できなければわが国の将来はないと感じた。多くの困難はあるだろうが、絶対に9条に自衛隊の存在を明記する改憲を実現させなければならない。
≪なぜ隊員の名誉を守らないのか≫
私は昨年8月16日付の本欄で、次のように主張していた。
〈9条1項の平和主義は変えず、2項を変更して自衛隊の存在を明記するか、3項に「前項の規定にかかわらず自衛のために自衛隊を持つ」などと書き加えることは、おおかたの国民の常識に沿うものといえるのではないか。
自衛隊員は現在、南スーダンや尖閣諸島付近などで命がけで任務を遂行している。隊員は「事に臨んでは危険を顧みず、身をもつて責務の完遂に務め、もつて国民の負託にこたえることを誓います」という宣誓をしている。彼らに報いる道は名誉を付与することだ。