アメリカを読む

トランプ氏の「科学を無視」は本当か 米パリ協定離脱 科学万能主義に戒めの声も 対立は「文化戦争」に

 1日に地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」から離脱を宣言したドナルド・トランプ米大統領(70)に対し、「科学的な知見を無視している」との批判が再燃している。トランプ氏が気候変動問題に懐疑的なことは周知の事実だが、パリ協定離脱で残留派の怒りが爆発している形だ。ただし米国には気候変動問題の全容や解決策が科学的に解明済みだと考える「科学万能主義」を戒める声もある。また米国における立場の違いは科学的な知識の有無ではなく、所属するコミュニティーに左右されるとの指摘もあり、離脱派と残留派の対立は「文化戦争」の様相を呈している。

 「大統領とはその問題について議論する機会はなかった」

 スパイサー大統領報道官は離脱表明翌日の記者会見で、逃げの一手に終始するしかなかった。記者団からトランプ氏が気候変動は科学的な事実であると考えているかどうかを執拗(しつよう)に問い詰められたのだ。

 しかしスパイサー氏がどう弁明しようとも、トランプ氏が気候変動問題に懐疑的な態度をとってきたことは間違いない。

 トランプ氏は大統領選出馬表明前の2012年ごろから、ツイッターで「気候変動という概念は中国が米国の製造業を弱くするために作りあげたものだ」などと主張してきた。出馬表明後の15年11月に出版された著書でも「地球には氷河期もあった。気候変動が人為的なものだとは簡単には信じられない」と言及している。

会員限定記事会員サービス詳細