野口裕之の軍事情勢

独裁国家に核・ミサイル放棄させるには実力行使 米国が北朝鮮を攻撃しなければ日本を最悪の危機が襲う

 条約第7条では、双方が《改正又は終了について合意しない限り、引き続き効力を有する》とされる。第2条が廃棄されれば、休戦中の朝鮮戦争が再び戦端を開く前に北朝鮮の敗北が決まる。第2条廃棄に、北朝鮮が賛同する道理がない。第一、北朝鮮との軍事同盟は、米国を牽制する上でも、北朝鮮に介入し→引き続き居座る口実上でも、極めて有用で、中国は積極的に条約を維持したい環境に置かれている。

 しかも、一方的に中朝軍事同盟を破棄すると、北朝鮮の金正恩・労働党委員長がどう出るか? 金委員長の戦略思考能力レベルが不明なこともあり、今以上に朝鮮半島はキナ臭くなる。

米国はレッド・ラインとデッド・ラインの二段構え

 米トランプ政権が7月中旬の「対中契約」延期を認めれば、延長期限は今秋になろう。今秋、中国は指導部が入れ替わる共産党大会を開くが、中国の「対北努力」の評価が低ければ、米軍は党大会前に爆撃機+護衛機を平壌上空に飛ばすといった、実戦に近い対北挑発を実行に移し、中国を揺さぶる可能性もある。

 荒っぽい行為でリスクはあるが、経済制裁をステップ・アップさせなければ、北朝鮮の金委員長に「誤ったシグナル」を送ってしまう。フリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領が4日、訪比中の河井克行・首相補佐官に伝えた言葉を借りれば、金委員長は「バカ者」で、「生存し続ける限り、あの地域は危険なままだ」。その金委員長が米トランプ政権の言動を読み誤り、「米国は戦意を喪失した」などと自らに都合良く解釈すれば、様子見していた《6回目の核実験》を強行する。

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