野口裕之の軍事情勢

独裁国家に核・ミサイル放棄させるには実力行使 米国が北朝鮮を攻撃しなければ日本を最悪の危機が襲う

 米中首脳会談で習主席が、独自制裁の検討を示唆したといわれる北朝鮮向け石油は現在、パイプ・ラインによる輸出に偏重し、パイプ・ラインの「100%利用説」も出ている。国連の経済制裁に今後、石油がリスト・アップされても石油の流れは闇の中、否、「パイプの中」ということになる。

 また、北朝鮮は核・ミサイルに必要なハード&ソフト・ウエアを、中国企業や中国国内に展開するダミー会社や地方政府の闇ルートはじめさまざまな抜け道を使って入手する。2016年2月に発射されたロケットの破片を回収したところ、中国企業が欧州より密輸し、北朝鮮に売った圧力伝送器などが含まれていた。アフリカや東南アジアへの兵器輸出も、同種のルートで実行し、核・ミサイルの開発費に充てている。

 他方、中国が《中朝友好協力相互援助条約》第2条の不履行をかざし、北朝鮮を説得しているとの情報もある。1961年に中朝両国が北京で署名した中朝友好協力相互援助条約は第2条で《いずれか一方に対する、いかなる国の侵略も防止する》と定め、一方の国が武力攻撃され戦争状態に陥った場合、もう一方の国は《直ちに全力をあげて軍事及びその他の援助を与える》と明記されている。

 確かに2003年には、中国・国務院(政府)直属の中国社会科学院の世界経済・政治研究所が発行する論文集で《条約の軍事同盟部分の削除》を明言している。中国が条約改正を持ち出したとすれば、「少しは言うことを聞いたフリをしろ!」との脅しだろう。

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