野口裕之の軍事情勢

独裁国家に核・ミサイル放棄させるには実力行使 米国が北朝鮮を攻撃しなければ日本を最悪の危機が襲う

 首脳会談で、トランプ大統領は、北朝鮮の対外貿易の9割を占める中国の習近平・国家主席に対北経済制裁強化を要求。中国が協力しない場合、北朝鮮と取引する大手金融機関を含む中国企業を制裁対象に加える米国政府独自の新制裁実施を突き付けた。中国企業が制裁対象になれば、米国の金融機関や企業との取引が停止するので、習国家主席は、米中両国の貿易不均衡是正について同意した《100日計画》と並行し、安全保障分野でも同じ期限を設定するよう猶予期間を訴え、トランプ大統領が受けいれた。

 米中首脳会談の100日後は、おおよそ7月中旬に当たる。

 けれども、中国は制裁強化を巧妙に演じるだろうがヤル気なし。特に米中首脳会談以降、中国は北朝鮮に「かつて」なかったレベルの「強い圧力」を掛けてはいるが、「かつて」が弱過ぎで、「かつて」に比して「強い圧力」では、米国を満足させる効果はあげない。何しろ、中国が影響力を行使できる北朝鮮こそ、対米韓緩衝帯として最も利用価値が有る理想型。「生かさず、殺さず」というワケだ。

 実際、国連安全保障理事会の対北制裁決議で石炭に規制をかぶせても、中国の「配慮」によって鉄鉱石の対中輸出は増え、石炭の規制分を埋め合わせている。

 中国の「配慮」は対北輸出でも顕著。国連制裁決議後も、中国による1〜4月期の対北輸出は前年同期比で増大(中国税関総署公表)した。中国は北朝鮮からの石炭輸入を規制して、国連や米トランプ政権に協力的姿勢見せながら、北が中国に頼る石油・鉄鋼製品を従来にも増して輸出しているのだ。

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