卓球通信

大躍進の世界選手権 若き日本のエースたちが東京五輪で「中国の壁」を超えるには

 4月のアジア選手権で中国勢に3連勝した平野も今回は完敗。「差は以前よりも縮まってきたと思うが、自分が勝っているとは思わない。最後の1本、2本が結局とれなくて負ける試合が多い」と冷静に現状を見つめた。

 だが、「また、中国選手と試合をして、経験を積めば勝てるようになるんじゃないか」と、平野は手応えを実感した世界選手権だった。

 平野だけではない。期待せずにいられないのは、中国と比べても若い選手らの伸びしろだ。女子ダブルス銅の16歳ペア、伊藤美誠(スターツ)、早田ひな(福岡・希望が丘高)は平野と同じ高校2年生。伊藤が「五輪で優勝するより、出場するほうが難しいんじゃないかと思う」と話すように、同世代のライバルの存在は成長の速度を早める。張本も「世界ランク1桁のトップ選手にも自分のプレーが通用したので、成長がたくさんあった。1、2年もしたら、絶対に勝てないことはない」と頼もしい。

 では、具体的に中国に勝つには何が必要なのか。五輪2大会で女子日本代表監督を務めた近藤欽司氏は「サーブの種類を増やすことと、中国選手の回転量に負けないだけのフィジカル面の強化」をポイントに挙げた。

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