6月5日に閉幕した卓球の世界選手権個人戦(ドイツ・デュッセルドルフ)で、日本は金1、銀1、銅3の大躍進を遂げた。メダル5個以上の獲得は1975年コルカタ大会以来、42年ぶり。昨年のリオデジャネイロ五輪に続く好結果で、2020年東京五輪へ「卓球ニッポン」復活近しを強烈に印象づけた。ただ、世界最強国・中国が依然として立ちはだかる。
火付け役となったのは混合ダブルス。11年からペアを組む石川佳純(24、全農)、吉村真晴(23、名古屋ダイハツ)組が前回銀の悔しさを晴らし、日本に48年ぶりの金メダルをもたらした。女子シングルスでは平野美宇(17、エリートアカデミー)がシングルスで48年ぶりの銅メダル。男女ダブルスも出場4組中3組がメダルを獲得した。男子シングルスで13歳の張本智和(同)は最年少で8強入りし、世界を驚かせた。
20年東京五輪への期待を膨らませるが、表彰台の中央に立つのは簡単ではない。ドイツ選手との国際ペアだった混合ダブルスを除き、男女を通じて君臨する中国選手との直接対決では1度も勝てなかった。男子の倉嶋洋介監督は「少しずつ成長している結果が出たが、打倒中国に関しては1歩ずつやっていくしかない」。女子の馬場美香監督は「中国のほうが1人1人の技術や戦術の幅が広く、自分の得意なところだけでは戦えない。相手の戦い方に応用できる技の広さを持たないといけない」と話す。