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要介護や寝たきりとなるリスクが高いシニア世代の骨折。予防が何より大事なだけに、骨がスカスカになってもろくなる骨粗鬆(こつそしょう)症対策が必須だ。また、骨折した後に骨折前と同じ生活を取り戻すには、リハビリの早期スタートが大きなカギになるという。(平沢裕子)
女性は男性の4倍
歌手の研ナオコさん(63)は3月、甲府市で舞台公演中に転倒し、「右大腿(だいたい)骨頸部骨折」と診断された。骨折から6日後にチタン製の人工関節にする手術を行い、約1カ月で仕事に復帰。5月下旬に出演した公演では、つえなしでくるくる回る姿を披露するまでに回復した。
研さんは「舞台の畳の上で滑って体が宙に浮き、腰からドーンと落ちた。呼吸が止まるほどの激しい痛みだったが、骨折しているとは思わなかった」と振り返る。
研さんが骨折した大腿骨頸部は、太ももの付け根部分の骨。シニア世代では、転倒や転落などをきっかけに折れることが多い。平成19年の調査で、大腿骨頸部が含まれる「大腿骨近位部骨折」の患者は約14万8千人。男女比は1対4と女性が圧倒的に多いとはいえ、男性も年に約3万人の患者を数え、男女関係なく注意が必要な疾患だ。