ネットオークション、偽ブランド品の温床に…真贋困難の「スーパーコピー」、進んで購入する消費者も

 ロレックスの腕時計が1万円、エルメスの高級ハンドバッグ「バーキン」が4万数千円…。ネットオークションでは人気ブランド品が破格の安値で落札されることがあるが、偽物が紛れ込んでいるケースは少なくなく、偽ブランド品販売の温床となっている。中には専門家でも真贋(しんがん)の区別がつかない「スーパーコピー」を偽物だと分かりながら手に入れようとする購入者もいるという。

 偽ブランド品をめぐる刑事事件は全国的に相次いでおり、平成28年5月に埼玉県警がネットオークションで「ルイ・ヴィトン」の偽物の下着を販売した女を商標法違反容疑で逮捕。今年1月には、イタリアの高級ブランド「ボッテガ・ヴェネタ」の偽物の靴をヤフオクに出品し、販売した20代の男らが、同法違反容疑で京都府警などに逮捕された。

 和歌山県内でも、今年2月、「シャネル」の偽バッグやポーチを販売したとして、県警生活環境課が同法違反容疑で御坊市内の女を逮捕している。県警は女の自宅から「シャネル」や「ジバンシィ」などの偽ブランド品とみられる100点以上を押収した。

 国民生活センターによると、偽ブランド品やコピー商品に関する相談件数は25年度の4364件をピークに、26年度4174件▽27年度3115件▽28年度2498件-と減少傾向だが、このうちネットオークションが絡んだ相談が占める割合は増えており、25年度に1割程度だったのが28年度には2割を超えた。

 29年度にも「ネットオークションでブランド腕時計を落札したが、届いた商品は偽物だった」「ブランド腕時計を本物だと思って購入したが、店舗に持って行ったら『スーパーコピーだ』と指摘された」などの相談が寄せられていた。

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