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昭和46年の渋谷暴動事件で、警視庁公安部は7日、殺人容疑などで過激派「中核派」活動家、大坂正明容疑者(67)を逮捕した。新潟県警から応援派遣されていた若い警察官が惨殺された事件。「同僚の仇(かたき)」(警察幹部)として警視庁のみならず日本警察全体で46年間、包囲網を徐々に狭め、追い詰めてきた執念の捜査が実った。
写真を拡大し特定
46年11月14日、神山派出所周辺の警備に当たっていた中村恒雄警部補=当時(21)、2階級特進=が、デモ隊に鉄パイプなどで殴られた上、火炎瓶を投げられ全身に大やけどを負い、翌日殉職する。
街頭に防犯カメラのない時代。公安部は犯行現場を押さえた写真を拡大、「この男は誰だ」と地道な聞き込み捜査を続け、事件から3カ月後の47年2月、大坂容疑者を特定した。
関係者によると、大坂容疑者は北海道帯広市出身で中学、高校時代は野球部で活躍、クラス会長なども務め目立つ存在だった。大学進学で北海道を離れ、千葉工業大に進むと様子が一変する。無口だったが討論では激しく相手を論破することも。在学中に中核派の活動に参加するようになり、その後は過激な活動にのめり込み数々の闘争現場に現れたが、逮捕されることなく「ノーマークの存在」(公安部OB)だった。