浪速風

紫陽花を美しく…梅雨も風情あり

近畿も梅雨入り…大阪駅前「うめきたガーデン」のアジサイも、雨にうたれ可憐な姿を見せていた=7日、大阪市北区ン(土井繁孝撮影)
近畿も梅雨入り…大阪駅前「うめきたガーデン」のアジサイも、雨にうたれ可憐な姿を見せていた=7日、大阪市北区ン(土井繁孝撮影)

通勤の道端に紫陽花(あじさい)が咲いていた。昨日までは気づかなかったが、雨が教えてくれた。傘をさして歩いていると、つい目線が足元に下がる。濡(ぬ)れて濃くなった新緑と、淡いパステルカラーのコントラストが美しい。季節は移ろう。近畿地方も梅雨入りが発表された。

▶「梅雨がなかったらどんなにか私はものたらぬことであらう」と書いたのは、夏目漱石に師事した作家で詩人の中勘助である。「それは春と夏のあひだに特殊な風情のある季節をつくってゐる」。近所の猫の額ほどの田んぼも、いつの間にか田植えが終わって、蛙の鳴き声がにぎやかだ。

▶梅雨は万物の生長に欠かせない、恵みの雨である。ジメジメとうっとうしいが、そう思うと、しっとり落ち着きも感じる。何事も視点を変えれば、違った面が見えてくる。紫陽花は時期によって、青、紫、ピンクなど色を変え、「移り気」の花言葉が知られるが、花びらが身を寄せ合っている姿から「家族団欒(だんらん)」もある。