鬼筆のスポ魂

巨人の低迷が与える「セ・リーグ改革」への影響

 DH制は不人気にあえいでいたパ・リーグが豪快な打撃戦が見られると人気回復策の目玉として1975年に導入した。その後、2005年から始まったセ・パ交流戦でパが圧倒する要因とも言われている。打者有利のルールの中で投手が力をつけた結果、「いい投手は圧倒的にパにいる」という現状に結びついた。交流戦や日本シリーズでパに勝てなくなり、観客動員の面でも逆転現象が出始めた。関係者の話を総合すると、セの現状を憂いた巨人首脳からDH制の導入が提案されたのが議論の始まりのようだ。

 しかし、セ6球団が全員賛成とはなっていない。特に反対の色を鮮明にしているのが広島だ。「野球本来の姿は9人が守って9人が打つのが当たり前。DH制には反対」と広島の球団首脳は言う。仮にDH制が導入されれば、資金力が豊富な巨人や阪神はパ・リーグからDH要員の大砲を獲得する。基本的にFA補強はしない広島が不利になる…という戦力的な見地もあるだろう。

 野球規則ではDH制の採用はリーグの判断に委ねられていて、6球団の全会一致が原則。広島だけではなく、中日やヤクルトも難色を示しているようで、このままでは議論は深まらない。阪神の球団首脳は「今年の交流戦が終わった頃にDH制の話が表面化する」と語っていたが、旗振り役? の巨人がここまでの成績不振に陥ると、導入反対の球団を説き伏せる迫力にも欠ける。グラウンドの明暗はそのまま多方面に影響を及ぼす。まさに勝負事は怖いのだ。

(特別記者)

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