赤の広場で

ゴミだらけの大国、それがロシアだ

 ロシアで暮らしていて、感覚がひどく麻痺してしまうことの1つが「ゴミ捨て」である。日本ではたとえば、飲料品のペットボトルを捨てるのにも、プラスチックのキャップやラベルを取り外し、本体とは分別して捨てる。こんなことは普通のロシア人にはとうてい想像がつかない。

 ロシアではというと、文字通り全てのゴミをそのまま捨てる。生ゴミも紙も、缶や瓶も、乾電池も壊れた電気製品も…。アパートの廊下にあるゴミ投入口や敷地内の大きなゴミ用コンテナに、好きな時に放り込むだけである。夜間に大型ダンプがやってきて、コンテナの中身を移し替えて回収していく。

 その行く先は、郊外のゴミ埋め立て場である。ロシアでは年間7千万トンの家庭ゴミが排出されるが、リサイクルに回されるのは4%、焼却処理されるのは2%にすぎない。産業廃棄物も含め、地表の4万平方キロにゴミが埋まっているとされ、それはスイス一国の面積に迫るのだから驚きだ。

 野放図すぎる実態を改めようと、政権は2015年、各地方にゴミ処理の仕組みや料金体系を整備するよう求めたが、満足に行動している所は皆無に近い。領土だけはあり余っている国だけに、分別回収やリサイクル、ゴミ減量が浸透するにはかなり時間がかかりそうだ。(遠藤良介)

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