野口裕之の軍事情勢

北朝鮮崩壊後は「中華人民共和国・高句麗省」誕生か 北はレアアースなど地下資源ごと呑み込まれる?

地下資源は核・ミサイル&通常兵器の「素」

 まず、レアアース(希土類)を含む北朝鮮内の地下資源埋蔵量から入る。が、閉ざされた国家のこと、確定的な数字に乏しく諸説が入り乱れる。ただ、世界屈指という見方では完全に一致する。日韓併合(1910〜45年)以来「鉱物の標本室」と異名をとり、開発が進められてきた北朝鮮の地下資源の種類は、併合時代の朝鮮総督府や米国・地質資源調査局、大韓鉱業振興公社などの調べを総合すると、開発競争力を有する地下資源が最低でも20種で、うち8種が世界ランク10位以内に入る。

 例えば、マグネサイト2位(3位説アリ)▽黒鉛3位(4位説アリ)▽亜鉛5位▽タングステンとレアアース6位▽金と鉛7位▽鉄鉱石10位…。核兵器製造の中核的要素を占めるウランの採掘可能な推定埋蔵量は、確認埋蔵量が明らかな国々を破り、世界一との見方も日韓両国の公的機関の間で有力となっている。

 韓国国会の調査機関・立法調査所の調べでは、北朝鮮地下資源の潜在的価値は640兆円(異説アリ)にのぼり、韓国の23倍近くに達する。

 中には高熱への耐性を備えロケット・エンジンに、耐蝕性に優れ原子炉の素材に、おのおの適した種類も多い。核・ミサイル開発に貢献する物質を、日時・量に左右されず国内で採掘できる北朝鮮の地下資源環境は、日米韓にとり脅威だ。

 ところが、一部の地下資源は掘削条件に課題がある。質的にも、兵器や民生品に取り入れるにあたっては高い技術力が必要になる種類も散見される。莫大な資金が必要だということ。そうしたハードルを「支援」し、かなりな数の鉱山を「共同開発」してきたのが中国である。

会員限定記事会員サービス詳細