産経抄

6月4日

 ▼将棋といい10代の強い卓球といい、若者が主役の紙面は読むほどに胸が躍る。才能を信じ、あるいは才能にあこがれ夢を追った遠い日の自分を藤井少年らの横顔に見る人は多かろう。弁慶相手に立ち回る牛若丸を重ねた人もいようか。報道の過熱は続きそうである。

 ▼歌人の小池光さんにこんな一首がある。〈「将棋に人生を持ち込むと甘くなる」羽生善治言へりわれら頷(うなず)く〉(歌集『静物』所収)。老婆心ながら一言添えれば、連勝はいつか途切れる日が来る。世の風に踊らされることなく伸び伸び指せ、少年。

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