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山口組三国志抗争のカオス 「神戸は名古屋以下」結成直後の異例会見で不満ぶちまけた「任侠団体山口組」

 織田代表は山口組の分裂後、全国の神戸山口組傘下組織を回って激励し、弘道会の拠点がある敵地の名古屋でも集会を開くなど「対立抗争のキーマン」とみられていた。新団体が暴対法上のさまざまな規制を受ける「指定暴力団」となるまでには時間を要するため、「規制の空白期間を利用して山口組関係者のタマ(命)を狙うことも想定しているのではないか」(捜査関係者)と推測されるのだという。

ヤクザの「終わりの始まり」

 さらに、別の捜査幹部は新組織幹部が会見で明かした「盃(さかずき)事をしない」「組長は空席」「みなが平等で助け合う」といった方針にも首をひねる。暴対法の指定要件となっている組長をトップとした「階層的な組織」ではないと装うことで、適用逃れを狙っている可能性があるからだ。

 幹部は「親分と子分が盃を交わして擬似的な家族関係を結び、強固な結束力を生み出すのが伝統的なヤクザだとしたら、織田らはいわば新しいタイプのヤクザだ」と指摘した。

 ただ、警察庁はすでに現状を、分裂ではなく「神戸山口組の内部対立」と判断。新組織を引き続き暴対法の適用下に置く方針を示しており、リスクを考えれば即座に派手な抗争を起こす可能性は低いという見方もある。

 暴力団情勢に詳しい垣添誠雄弁護士(兵庫県弁護士会)は、暴力団排除が進んだ近年、暴力団が地下に潜って犯罪組織としての性質を強める傾向があるとした上で、「新組織は効率的な組織を作ろうとしており、日本的なヤクザの終わりの始まりを感じる」と話した。

三つどもえの時代に

 新組織が結成されてからほぼ1カ月。メンツをつぶされた格好の神戸山口組は、離脱派への切り崩し工作を本格化させているようだ。

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