デービッド・ケイ氏会見詳報(下)

政治利用の可能性を問われ「最後の一刺しという感じがするが…」「決して現政権に対する攻撃ではない」

 第1の理由は、日本の現政権は永遠に政権の座についているわけではない。そして、党もおそらくは永遠に政権の座にあるということはないだろう。与党であり続けるということはないだろう。だから、今の時点において現政権が将来をみすえ、どういう制度にしたらいいのかを考えるべきときではないか。本当の意味で、例えば二大政党とか、多数政党の民主主義体制を持つということは、可能性としては全ての政党が政権の座につくことがあり得る。現在の与党が野党に落ちることもあり得るということだ。理想的に聞こえるかもしれないが、そういう可能性を秘めたものが民主社会ではないかと思う。それが現政権にとってもメリットがあることだと思う」

 「2つ目は、これはジャーナリストからも専門家からもよく聞くことだが、感覚的なことだが、メディアがこのように中程度の圧力があるというだけで、それに対するリアクションということで、中程度のものであるのに自己規制、あるいは自己検閲ということを行いがちである。これは他の民主社会ではありえないような動きになりかねないということが日本にはあると思う。独立したメディアによる批判や調査報道がない中では政府の立場は試練に遭わない。

会員限定記事会員サービス詳細