デービッド・ケイ氏会見詳報(下)

政治利用の可能性を問われ「最後の一刺しという感じがするが…」「決して現政権に対する攻撃ではない」

会見する国連特別報告者デービッド・ケイ氏=2日午後、東京都千代田区(佐藤徳昭撮影)
会見する国連特別報告者デービッド・ケイ氏=2日午後、東京都千代田区(佐藤徳昭撮影)

 国連人権理事会が特別報告者に任命した米カリフォルニア大学のデービッド・ケイ教授が2日に行った記者会見は終盤に入った。ケイ氏の報告書について、野党や市民団体などが安倍晋三政権を攻撃するために政治利用されているとの指摘に対し、「最後の一刺しという感じがするが…」と語った上で、自民党の憲法改正案を批判した。会見の詳報は以下の通り。

 --なぜ日本の政府はケイ氏の提言を導入しなければならないのか。記者クラブ制度がいけないということをおっしゃった。メディアと政府とのインターフェースにもなり得る。逆もまた真で、日本は民主主義国家として、コミットメントをもっていて、いろいろな調印をした条約は守るということだと思う。日本政府も、このようなシステムがあることのメリットもあるだろうと思う。なぜ、彼らの政府のためにもこれらを入れたほうがいいのか。日本の社会のためだけではなくて、日本の政府のためにも提言を受け入れたほうがいいというのはどうしてなのか

 「すばらしい質問だ。一般的な理由というのはあると思う。今、あなたが言外に言ったように、強い理由がある。メディアの独立性は日本社会のためだという論点はあるが、政府にとってもメリットはあると思う。政府のためになる2つ理由を申し上げる。

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